2つの世界
「ねぇ、悠斗くんは?」

この期に及んで、まだ言うか…

「そこですよ。」
「教えてくれるんだ〜?」
「隠してどうするんですか。」
「うわ、自信満々〜。」

いちいち、ムカつく。この人の事、慕ってたなんて恥ずかしいわ。

「じゃぁ、さようなら。」

今日は久しぶりに、波留さんがいない仕事がある。

頑張って、そこで目立たなきゃ。

学校の問題は悠斗や優花が助けてくれた。おかげで、あたしは仕事に集中できる。

感謝の気持ちは、波留さんに勝つことで伝えようって思ったんだ。

あたしは、頑張って仕事を進めた。

全部終わったあと、悠斗と話してた。

「ねぇ、悠斗。さっきあのモデルさんに話しかけられてたよね。」
「あぁ。」
「もしかして、ナンパ?」
「ナンパって…。」

こういうことは、何回かあってムカついたけど、ずっと言わなかった。

「なに、嫉妬?」
「…そうだよ!!」
「かわいいな、麻莉は。」
「ちょっと!!ここで麻莉って言ったらダメだって。」
「あ、わりぃ。」

仕事場では麻莉って言わないように悠斗にも言ってある。

「にしても…。メイクしてほんとに変わるよな。」
「悠斗がメイクしてんじゃん」
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