2つの世界
†麻莉†

「冷めた。」

なんで?

次の日に言われた突然の別れ。

しかも…悠斗から…。

「冷めたって…。早くない?昨日まで…。」
「とっくに冷めてたっつーの。」
「最低…。」
「じゃぁ、もっと最低な事教えてやるよ。俺、波留さんと付き合ってる。」
「う…そ…」

なんで、よりによって波留さんなの?

悠斗は…わかってたはずだよ。波留さんが最低な事…。

「ほんと最低。人間性を疑うよ…。」
「うぜぇ。」
「じゃぁね。悠斗。」

あたしは、怒りをこらえきれなかった。

でも、それはすぐ悲しみに変わった。

冷めたって…。一番ひどいよ。しかも…波留さんと…。

「仲野さん、早く!!早く車出して!!」

あたしは、午後の授業をサボって仲野さんを呼び出して仕事場へ向かった。

たまたま、時間があう仕事が入ってて断ろうとしてとこを止めた。

「どうしたの。悠斗は?」
「あんなやつ、知らないよ。」

仲野さんは、それ以上聞かなかった。

「あ、そういえば優花どうでしたか?」

なんとなく暗くなった車内を変えるために、思い出した話題だ。

「あぁ、社長も気に入ってたわ。さらに麻莉の友達って聞いて大ハシャギ。」
「子供じゃないんだから〜。仲野さんも止めてよ!!」
「面白かったから。」
< 57 / 90 >

この作品をシェア

pagetop