2つの世界
恐るべし、女子のネットワーク…。

廊下を見ると、友達といたあいつ。

友達といるくせに、無表情。あたしも、笑ったのを見るのは昨日が初めて。

笑った方がかっこいーけどなぁ。

なにいってんだ、あたしは。

そして、放課後。

今日も仕事。

「行くぞ、麻莉。」
「話しかけんな!!わかってるし!!」
「なにキレてんだよ?」
「はぁ…」

いつもどうり、仲野さんの車にいく。

「おかえり、麻莉と悠斗。」
「仲野さぁーん!!あり得ないですって!!」
「なにがよ?」
「だから、悠斗ですよ!!いきなり話しかけてくるから、あたしは女子の目の敵ですよ!!」
「なんで俺が話すとそーなんだよ?」

天然なんてかわいいもんじゃない。超鈍感なんだ。きっと。

「私はわかるわよ。まぁ、まずメイクしなさい。」
「はぁーい…。」

キブンが乗りませんが、仕事は仕事。

いつもどうり、カツラを被って、長めの髪になる。

でも、今日からメイクはあいつ。嫌だけど、仕方ない。一応、専属のメイク。

「そんな力むな。目ぇつぶって待ってろ。」
「うん。」

しばらく、目を閉じて待つ。化粧品をつけたときの、ぬるい感じがする。
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