絶対キケン恋愛-☆年下王子とLOVE×PANIC!☆-



そのまま後ろ向きに、あたしは誰かの胸へと倒れこむ。


そして、聞きなれた声が聞こえてきた。




「…やっと吐き気治まってトイレから出てきたら、琴弥ちゃんおらへんのやもん。

ビックリして探し回ったら、こんな所で泣いとるし」



「…ダイ君」




あたしはダイ君の胸から離れると、そっと彼の方を向いた。


涙で少しだけボヤけているけれど、その人は紛れもなくダイ君だった。




「どないしたん?」




優しく子供をあやすような口調。


その時、あたしの中で何かがプツリ…と切れた。

苦しくて、苦しくて…




「うわぁぁっ―――!!」




あたしはダイ君の目の前で、大泣きしてしまった。




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