絶対キケン恋愛-☆年下王子とLOVE×PANIC!☆-



「と…亨さ―――」



「実を言うとですね。俺は自分自身から逃げていたんですよ」



「逃げる…?」




亨さんの言葉を復唱する。


あたしにとっては、亨さんが何から逃げていたかがさっぱり分からなかった。




「岬は母親を無くしてから、狂ったかのように俺を憎み始めました。

本当の親ならば、例えどんな状況でも、息子に立ち向かっていかなければいけないのに…。

俺はそんな岬が怖くなって、逃げていました」



「………」



「キツイ態度を岬に取っていたのも、その為です。

そうでもしないと自分が潰されそうで怖くて…」




思い出しながら、しみじみと語っていく亨さん。


それでも、立派な岬サマの「親」としての顔をしている思った。




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