絶対キケン恋愛-☆年下王子とLOVE×PANIC!☆-



お互い何も話さないまま歩き続けること数分。


岬サマはある一つの部屋の前で立ち止まった。


あたしは目の前の扉に掛かってあるプレートを凝視する。


そこには大きな文字で「保健室」と表記されていた。




「…中入るぞ」




そんな岬サマの言葉と同時に、あたしは腕を掴まれて引っ張られた。


「きゃ…」と小さな悲鳴をあげながらも、保健室へと足を進めてしまったあたし。


そこは誰もいない無法地帯と化していた。


もちろん保健の先生すらおらず、この部屋にいるのはあたしと岬サマの二人だけ。


さっきから岬サマはあたしの方を見ずに立ちすくんだまま。

そして腕は掴まれたまま。




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