絶対キケン恋愛-☆年下王子とLOVE×PANIC!☆-
見慣れない風景を走るリムジンに、あたしの眉は形を変えていく。
「…どこに行ってるんですか?」
控えめな声で質問するあたしに対して、笹山さんはイタズラっ子のような笑みを浮かべた。
「尾行ですよ」
「び…尾行っ!?」
笹山さんの予想外の発言に、あたしは声を張り上げてしまった。
赤信号で停まっているリムジン。
笹山さんは、ハンドルを持ったままあたしに顔を近付けて来た。
「誰か知りたいですか?」
「は…はいっ!」
笹山さんの綺麗で整った顔のせいで、あたしの心臓は少しだけドキドキしてしまう。
あたしの顔をしっかりと見たまま、笹山さんは口を開いた。
「岬様ですよ」
.