学園という名の地獄
私はこの学校の権力を完全に握っている。

女王とでも呼べばいいのかしら?その方が聴き心地がいいわね。

私の父はこの学園の理事長。もう亡くなったけれど、祖父は先代の理事長を務めたわ。

そして、私の母側から多額の寄付金を出しているの。


そりゃあ、私の上に権利がふって降りない方がおかしいってものよねぇ。

この権力は先生にまで及ぶ。


「ごきげんよう、愛様。」
「お元気で、愛様。」

私を見かけた者はすぐにこう声をかけてくる。

声をかけない、など私に対して失礼な態度をとった者は、


『ドレイ』


として、私たち、いえ学園全体から孤立する事になるの。
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