学園という名の地獄
会議が終わるとちょうどベルが鳴った。

このベルは、私が鳴らすように指示しているもので、授業のチャイムとは違う音が流れる。

先生方にはホームルームの時間だと言ってあるけど、このベルが鳴ったら今週のドレイが発表される…ということ。


「では、発表に向かいましょう」


全員が各々の教室に戻る。ただし、私を含む12人を除いては。

「各自、分担された教室へ急いでください。発表は簡潔に、早急に!」

「「はい、愛様。」」


私は分担の――自分の教室へ向かう。


まだ騒がしいけれど、私が入れば一瞬で静まる。

そこでまだ喋ってでもいれば…


自分がどうなるかはみんな知っている。


「今週は―――」

私はわざともったいぶって間を入れる。

周りは一点を見つめたままだ。


「2年B組、堀内美玲ですわ!」

教室がざわついた。

「やっぱり来たわね…」

「私もそろそろじゃないかとは思ってたけど」

「ドレイになれば、あの子もちょっとはマシになってくれるでしょ」

教室中にそんな声が響きあう。
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