『サヨナラユウビン』
§泡沫のコイビト
星の煌めく月の下。
小さな公園のベンチに二人の男女。

「俺らはずっと一緒だよ…香織」
「悠也…嬉しい…」

二人はささやき合って、どちらからでもなく抱き合った。

「…朝井悠也」

黒ずくめの男がそれを空から見下ろしながら、男の名をつぶやいた。

それに気付くはずもなく、二人は幸せそうに口付ける。

「…ただいまお届致します。」

黒ずくめの男は、そのまま闇にとけていった。
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