『サヨナラユウビン』
「…運命は変わりません…か」

自室に戻って、ベッドに横になる。
黒ずくめの言葉が頭を駆け巡る。
…あいつが言っていたのは、確かに正論だ。
俺は死なない人間じゃない。逆に、いつ死んだっておかしくない。
人間…なんだから。
…信じたくなくて、拒絶してるだけなのか…
都合のいい頭だな。
自分にプラスな事は信じて、マイナスな事は信じない。

「…とは言っても…簡単に受け入れられねぇよな…。」

…。
香織に電話…
と思って、携帯を手に取ろうとしたら

ヴヴヴ…

「うわっ」
び、びっくりした!
どきどきしながら振動する携帯をとると、香織からの電話だった。
なんか…以心伝心?
嬉しくなりながら通話ボタンを押して、耳に電話をあてた。

「もしもし」
「あ、もしもし」

声を聞いた瞬間…電話をとらなければよかった…と、心からそう思った。
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