華憐蘭 -KaRenLan-
歩いて約20分。
つけてきてる奴らには訳分からないが、
あたしらにとっては重要なこと。
どうやってやるかとかなんやら、
話しながら歩いてると河原が見えてきた。
「あ、見えてきたね。」
「そうだな。」
あたしは小走りして河原へ直行。
サブバックをそこらへんへ放り投げ、少し蹴りを確認中。
「葵帷、見られてるけどいいん?」
「あ、別にいいよ。あたし、負ける気がしないし?」
ニヒッと笑って少しよろめきそうになるが、体勢を整えて着地。
「ん-…なんだか今日は心配だな…。」
「大丈夫大丈夫!今日は負けないから。」
ポキッと指をならして、ちょっとした合図。
だが、まだ影に隠れている奴を見てちょっとイライラ。
―…こっちいるの分かってんだけどな…。
…まだ気づいてないとか?
……まじ鈍感。
「あんさ、こっち分かってんだけど?」
「葵帷!いきなりタメ―…」
「別にいいんだよ。
…さっさと出てきてくんない?
―…雑魚どもが。」
あたしはそこら辺にあった大きめの石を隠れてる木に投げた。
見事に命中して、ざっと15人くらいの奴らが慌てて出てきた。
「少なっ…!!!」
あたしがどんよりすると、相手は少しイラモ-ド。
…当たり前だよね…。
けなされてると同じだからな…。