華憐蘭 -KaRenLan-
「…なっ!?」
「おっさん……こういうの…使うのいいけどね…」
あたしはボスを睨みつける。
そして、ぐぐっと金属バットに力を入れる。
「なっ…なんだよ!!!」
―…怯えてるんだ…
―…弱い…
「あたし、こういう卑怯な奴、一番嫌い。」
「あ…あぁ゛!?てめえ…俺に勝てると思ってんのか!?」
「…これだけやられてあんたが勝てると思ってんの?」
「っ……!」
「ふざけるのも大概にしろよ。」
あたしは金属バットを取り上げてどこかに放り投げ、
おっさんの胸倉を掴む。
「ひっ…!!!」
「姫鬼高校の番長なめんじゃねえよ…?」
「ばっ…番長だか不良だか知らねえけど…!
俺の組の名前を踏み潰す奴は許さねえぞ!!!」
負けじのおっさんはあたしを睨みつけ、
あたしの溝をあいた手で殴ろうとするが、
あたしはそれを阻止する。
…そんなんで勝てるなんて、本当考え甘いよね…。
…おっさんの顔……引きつって青ざめてる…。
でも、そんな顔されてもあたしはやめないよ?
…だって…
―…巻き沿いくらったことが一番腹立つし…
…遊の腕、傷あるしね―…?
「よ-く名前覚えとけ…。
―…あたしは姫鬼高校の番長…
…華咲 葵帷…
今度会う時は一礼ちゃんとしやがれ!!!」
あたしはおっさんの顔を右の拳で殴り、
どこかへ蹴り飛ばした。