華憐蘭 -KaRenLan-
「…帰る。」
「え、葵帷ちゃん!?
「なんか、調子悪りいから帰るわ。」
あたしは鞄を持ってドアを開ける。
「葵ちゃん!あたしも一緒に帰る!」
「…は?
舞はなんか―…」
「帰り、アイスでも食べよ!?ねっ!?」
舞のこの笑顔…。
断れねえよな……
―まあ気晴らしにでもいっかな…。
「…ああ……。」
「本当にっ!?ありがと!」
にっこり笑ってあたしの腕にぎゅっと抱きつく。
すると、後ろから重いものがのしかかってきた。
「…あの、重いんですけど?」
「いいじゃん♪俺も行く!!!」
「どいて…。」
「嫌だ♪このまんま行く!」
「無理!!!」
「うわっ、葵帷ちゃんひでえ!!!」
「なにがひどいだ…。
のっかかってくる遊が悪い。」
あたしは消毒してあげた遊の傷跡にちょこんっと指を触れる。
「い~っつ!!!!!!!」
いつになく面白いリアクション…。
あたしは少し吹き出してしまった。