華憐蘭 -KaRenLan-


「あ…あそこの隠し通路!
 …よく葵ちゃん覚えてたね!」

「あ-、だって入学して間もないころだったしな?」

「そっかあ~…。入学当時は大変な時期あったもんね…。」

「そうそう!葵帷がさ、入学式めちゃくちゃにしたじゃんな!」


―でたよ…。

またその話―…



「そっ、それはもういいだろ!?」

「入学式で男子と喧嘩して…」※遊

「結局葵ちゃんが勝ったよね!!!」


2人は笑いながらあたしのことを話す。


―…こうやっていつもあたしをからかって…。

…いい加減黙ってるのにも限度ってものがあんのよね…。




「そろそろ見つかるとやばいから、行くよ?」

あたしはこめかみをピクピクさせながら、
引き攣り笑顔で言う。

さすがの2人もこりたらしいよね。


…あのまま続けてたら……

当然喧嘩だよね…。









「ここだな…。」※葵帷

「そうそう!ここ!!!葵ちゃんよく覚えてたね?」

「当たり前だよ…。ここ、今でも使ってるし。」

「え!?葵帷教えてくんなかったぜ!?」

「いや、遊に教えたら先生にばれるから。」

「え、そっち!?」


いや、そっちでしょ…。
つか当たり前だろ!!!

まあ、舞も一応頷いてるし…?
つか頷いてるし。うん。
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