華憐蘭 -KaRenLan-
「お前…何暴れようとしてんだよ…。」
さすがの遊も呆れ顔であたしを見る。
「だって…」
「だってじゃねえよ……ったく。
こんな男に葵帷は触らせねえよ。」
「…遊……。」
そう言ってぎゅっと抱きしめる遊。
―って…!!!
「あんたを探してたの!!!」
とっことん空気の読めないあたしです。
「へっ!?」
「遊を探しに来たのに、こんな冷やかしうけられて…。
だっからあたしは腹立ったの!
んな訳もなく喧嘩する馬鹿がどこにいるんだよ!」
「………」
遊がじ-っとあたしを見る。
「…あたし?」
「うん。
まあいいけど、葵帷ちゃん~!!!」
「うわあっ!!!」
いきなり態度を変えてぎゅっと抱きつく遊。