あるばむ
第1章
校庭の庭にある一本の桜の木の下で

あたしはこれから通う高校を見つめていた。

入学式が始まる放送が流れ

体育館に入った。

入学式が終わると各教室に案内され

自分の席に座った。

まだ慣れていない校舎に最初は戸惑ったが

あたしの席は窓側で桜の木を

 眺める事ができた。

あたしは暗くてひっこみじあんだから

当然、入学早々友達なんてできなかった。

それにあたしは・・・

中学の時のいじめがトラウマで

友達をつくるのも大の苦手。

担任の先生や校舎の事を教えてもらい

今日一日は何も出来事がなく

あたしはかばんをとり、高校を後にした。

家までの帰り道を歩いていると後ろで

「ガシャン!」と音がした。

ビックリして後ろを振り返ると

「いたたたたたた・・・」と一人の女の子が

自転車で転んでいた。

制服を見てみると同じ高校だった。

あたしは自転車のかごからおちたかばんを
ひろって女の子に渡した。

するとその女の子は

「どうもありがとう!同じ高校だね☆
あたしは1年2組の柏木稔だよっ!
       あなたは?」


「あ・・あたしも1年2組の・・・
  鈴木亜由美です」

「亜由美?じゃあ同じクラスどうし
仲良くしてね!亜由美!」

アタシはビックリした。
嬉しい気持ちも不安な気持ちもあったが
あたしは

「はい!こちらこそ宜しくお願いします。」

「あっ!敬語とかなしぃ!!
友達なんだから名前で呼び合って
 普通に話そうよっ!」

「は・・うん。ありがとう」

正直とても嬉しくて自然に笑みが
こぼれそうだった。


















< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop