ばぶる
あの瞬間,始まったんだと思った。

慶太と曖の時間が。


今戻っても意味はない。
そう思った。


涼 「何してんの!?」

ゆ 「えええええええ!えっと…」

涼 「見てたんだろ!?知ってる。」

ゆ 「うん…。」

涼 「カッコわり-な。俺。」

ゆ 「んなことない!うちの方が悪いよ。」

涼 「?」

ゆ 「いいよって言ったのに,逃げてきちゃった。
 なんか…可笑しいな。
 好きなのに。好きじゃないみたい。」

涼 「好きなのに好きじゃないってそれ俺のセリフ。
 きっとどこかで諦めてたんだと思うんだ。俺。
 だからさっき,行け!なんて言ったんだ。」

ゆ 「え…!そんな風には見えなかったけど。」


涼 「見えなくても本人が言ってる。」

ゆ 「そうかも知れないね。でも!涼には諦めて欲しくなかった!」

涼 「は…?」
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