彼は私の子供です。




「今戻ってきたから、店の前にすぐ来れるか?」




思ってたよりも送りに時間がかかり、私は近くのファミレスで時間を潰していたところに、店長から電話が入った。




「今すぐ行きます」




私はそう言いながら早足でファミレスを後にした。





店の前に行くと。




健太が知ってか知らずか、お店から出てきた。





健太は私の姿を見て、少し驚いていた。






「……沙知…」






健太を目の前にしたら。





もう涙がとまんない。





寂しかったんだよ?




不安だったんだよ?




何してたの?




どこにいたの?






って、涙が言葉の出ない私に代わって話してくれてる。




気持ちを伝えてくれてる。






もちろんそれは健太に充分伝わっていて。






健太は私の手を取り、抱きしめてくれた。





健太は小さな声でただ一言。





「ごめん…」





と言った。





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