彼は私の子供です。



その翌日。




私の口座には120万という金額が振り込まれた。





店長から。






私は店長に言うしかなかった。




健太に話したってどうにもならないから。





「…健太とは別れることにしました。それで……スゴく言いづらいんだけど。お金を貸して欲しいんです。もちろん返済は健太の給料からの差し引きで」





店長は快く受け入れてくれて。




「今の家も今月末に出て行くという解約の手続きをしてきました。だから、健太を寮に入れてあげて下さい」






酷いかもしれない。



でも、せめてお金だけは返してもらわないと。





「あれでも健太は仕事はちゃんとデキるからな。俺の家に住まわすよ。跳ばれても困るしな」




店長はそう言ってくれて。




私は精一杯お礼を言った。





健太。




借金はちゃんと返してもらったからね。




あとは、好きに生きて下さい。





さようなら。






私はその日の夜、荷物をまとめて実家に帰った。




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