彼は私の子供です。


ズルいよね。



途中まで言いかけておいて、最後は私に言わせようとしてる。



既婚者のくせに。




私は寂しさからか、人を愛する意味を知っているジュンのそばにいることにした。



私もその手で抱かれてみたい、愛されるってことを知りたいと思った。


興味本位ってやつ?


ジュンは私に優しくしてくれたし、私が多少駄々をこねても受け止めてくれた。



いつしか私はジュンに離婚してほしいと願うようになった。




ジュンには奥さんがいて、子供もいる。



最低だよね、私。




誰かを愛してるジュンを欲しくなった。



そして、私自身を愛して欲しかった。




私はジュンと恋愛してる最中、苦しくなった。



そして嘘をついて嫌われようと思い、逃げた。




嘘は簡単。





「私、妊娠したっぽい」




ジュンがどんな反応をするのか知りたかった。




気持ちを確かめたかった。




ジュンは考えさせてほしいと言った。




こんな嘘つきな私に、ジュンは私との未来を少しでも考えてくれようとしたんだね。




「ごめん、妊娠したかも、、なんて嘘だよ。妊娠なんかしてないよ。試すような最低なことしてごめんなさい。今までありがとう」





勝手なことをして私は逃げた。



だって、やっぱり傷つきたくないし。



いずれ振られるなら、私から終わらせたい。



男に振られて悩むなんてまっぴら。



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