彼は私の子供です。



それでも私は産みたいって言った。





そしたら





「産みたいなら別れようよ。出産費は出すから。それと、一応気になるからこれからは検診行った日は食事をしよう。」







とか言われたし。










何だよそれ。





ちょーショック。





メールを何度も読み返してしまった。





何度読み返そうと、画面に表示された文字の言葉が変わるわけないのに。





目頭が熱くなってきた。





ポタポタとこぼれ落ちる悲しみの涙を、きっとたかちゃんは見たくなかったんだ。





自分が最低なことをしてるんだということを思い知らされるから。






そうやって自分を守るんだね、たかちゃん。





そうやって逃げてきたんだね、何事も。





たかちゃんのなかには、今回のことは「面倒な事」として残るんだろうね。






私は実験台か?






今までの彼女とは妊娠しなかったと言ってた。





だから妊娠するまで避妊しなかったの?





検査薬で反応が出た日、たかちゃん言ってた。





「俺にもちゃんとした精子があるんだ、安心した」





って。






そして今言われた言葉。






私は「実験台」としか思えなくなっていた。




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