siganai
あの時の僕は仕事の休みを平日に入れ、日曜は出勤することにしていた。

その帰り、なるべく遅い時間にこの店に訪れるようにした。

その理由は、ホルモン焼き屋に一人で食事をすることに抵抗があったが、その時間は客の入りが少ないために店員が暇を持て余していたこともあり、僕の話し相手になってくれるからだ。

この時間は厨房、ホールともに1人づつしかいなかった。

そのホールスタッフの彼女と客である僕は毎週閉店になる時間まで話していた。


しかし、話し合うというよりも、正確には、彼女が話すことを僕が酒を飲みながら、聞く割合が多かった。
< 79 / 100 >

この作品をシェア

pagetop