siganai
再び、彼女は手をすり合わせながら、寒いと言った。

それを聞いた僕はそっと彼女の手を握った。

先ほども同じようなことを彼女は言っていた。その後、彼女と手をつなぐキッカケだったのにと考えていた。
しかし、秒単位で時間が過ぎていくことにそのタイミングを失ってしまった。

突然、手を握られた彼女は最初ビックリした顔をしたが、直ぐに声を出して笑い出した。

そして、
ありがとう。
とその手を強く握り返した。

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