siganai
当時、彼は大阪で仕事をしていた。

物販・美容院などショップのコンセプトを作り出すインテリアのデザイン設計をし、その経営までトータルマネージメントすることが彼の仕事だった。

今ではインターネット検索で彼の名前が数百件ヒットするくらいの業界では有名な存在になっていた。

そんな彼が、今の仕事先を辞め、春に東京に会社を出すことを僕に告げた。

長年に掛けて今の仕事を築き上げてきた大阪という街を離れること、

今の彼女と遠距離恋愛になってしまうこと

に抵抗はあったようだが、

大阪では仕事の限界があるということ、

いつかは自分の会社を立ち上げたいという思い、

そして東京に僕がいるということが彼を後押しさせてくれたということだった。

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