siganai
そんな時、彼女が声を掛けてきた。
僕が平日に、しかも人を連れてくるなんてめずらしいと。

僕は彼女に彼のことを紹介した。

僕たちが小学校からの幼馴染であること、
1年前に偶然再会したこと、
彼の事務所のことなど、
いつも聞き手に回っていた僕がこの日ばかりは流暢に話し続けた。

反対に彼女は笑顔でだまって頷いていた。

ただ平日の夜もあり、店内は大変忙しそうで、僕が話している途中、彼女は「ちょっとごめんね」と言って僕らの前から姿を消した。

彼女とはその日殆ど話すことが出来なかったが、僕らは焼酎をボトルで頼み、彼がこの東京でどう仕事をしていくか、2人で遅くまで語りあった。

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