本の間に挟まれたオシバナ…
奈津子は部屋に入った瞬間から一人の男の子に釘付けになっていた。

自己紹介で分かった彼の名前は溝口直樹。

焦げ茶色の髪は彼端正な顔立ちにとても合っている。

だが全体的に充に似ている。

見惚れているうちに席替えが始まり、上手い具合に充の隣になった。

「初めまして」

丁寧に挨拶をする直樹に奈津子は好印象をもった。
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