本の間に挟まれたオシバナ…
地獄のように感じた授業も終わり、やっと放課後。

奈津子は終礼が終わるやいなや鞄を掴んで南門に向かった。

充に見つからないように周りを注意しながら、しかし足早に進む。

待ち合わせ場所にはすでに直樹がいた。

鞄を肩にかけて門に寄りかかっている姿も素敵だ。

奈津子の瞳はおそらくハートマーク。

「おまたせ!」

できるかぎりの極上笑顔で直樹の肩を叩いた。
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