本の間に挟まれたオシバナ…
「そんなに待ってないよ。帰ろうか」

外見は充に似ているが中身は違う。

話し方とか。

充は男らしい感じがするが、直樹は上品さがある。

「不思議だね」

帰り道、他愛もない会話をしながら歩いていると直樹がふと何の前触れもなく呟いた。

「何が?」

奈津子は言葉の主語が分からず首を傾げた。

「だってついこの前まで同じ学校で何の接点もなかった俺達がこうして肩を並べて歩いている」
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