本の間に挟まれたオシバナ…
気分は人生初デートの女の子。

「おはよう」

後ろから声を掛けられた奈津子は驚いて振り返った。

「あ、おはよう」

そこには私服の直樹が立っていた。

「って…何でサングラス掛けてるの?」

まあカッコイイからいいけど、とは口に出さなかった。

「俺、実はグラサンマニアなんだよね」

イタズラっ子のように直樹はペロリと舌を出した。
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