本の間に挟まれたオシバナ…
「ん?食べねえの?」

立ったままの奈津子に充が声をかける。

「ううん。食べる」

充と過ごす最後の昼休み。

奈津子は涙が出そうになるのを必死で堪えた。

「何か今日のお前変だな」

食べ終わったあと不意に充が奈津子に言った。

「そう?」

「いつもより口数少ねえし。何かあった?」
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