本の間に挟まれたオシバナ…
何よりもあれだけ一緒にいた恋人が変装しただけで気づかなかった自分に一番腹が立つ。

直樹はヘリウムを愛用していた。

吸ったときの自分の声が一番気に入っているらしい。

おそらく充も同じ物を手に入れて声を変えたのだろう。

だからと言ってそれで気づかないのはただの言い訳。

奈津子は一ヶ月前の記憶が蘇った。
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