本の間に挟まれたオシバナ…
七時間授業を終え、奈津子は教室で充が迎えに来るのを待っていた。

「奈津子!お待たせ」

正式な学生鞄ではなく白いスポーツバックを肩にかけた充が慌ただしく駆けてきた。

「ううん。帰ろう」

二人は1-7組を出ると昇降口に向かった。

日が落ちるのも早くなってきたこの頃。

二人は傾く夕日をバックに肩を並べて歩いた。
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