愛生
喧嘩
昨日はよく眠れなかった。

昨日の放課後の事を思い出しては自分を責めて涙した。嘘。

涙なんて出なかった。

私、最近いつ泣いたっけな。

私、涙もってるのかな。

ああ、1年生の時に教室の窓の外に立って自殺しようとした時

そういえば泣いたなぁ。

佐藤の他にも泣いて止めようとする子がいて。

おうおう、私にも生きててほしいっておもってくれてる人がいるのね。

私嬉しくって涙ぼろぼろ、涙拭かないとーおっと手が離れちゃったぜーって

落ちたんだ。

生きてる、私。

私、生きてらー。

あの時死んでれば今こんなにつらくないんだろうな。

死んだらすごく楽なんだろうな。

何も考えなくていいし。

うふふ。

死んじゃいたい。

あーでも、今はやらないといけない事がある。

佐藤に謝らないと。

傷つけた事。

キス、ほんとは嫌じゃなかった事。

「吃驚しちゃっただけだよ」

ほら、言えた。

言える。言える。言えるぜ、私!

よっしゃ、佐藤との登校中のあの20分の間に

ちゃんと説明もして謝ろう。

そう思って、

玄関をあけると彼の姿はなかった。

まだ、きてないのかな。

さむい。

彼はいつもこの寒さの中で私を待ってたんだ。

どれだけ待ってるんだろう。

・・・私早く来すぎたかな。

携帯の液晶画面にはもう学校についていないといけない時間をさしていた。

うそーん。

遅刻、しちゃう。

すると、玄関があいた。

「何やってるの?遅刻するわよ」

あ。おかん。
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