愛生

話しかけて大丈夫な空気じゃないけど

話しかけてもいいですか。

委員会が始まるまで時間もまだあるし。

「ね、ねぇ。佐藤」

話しかけた。

ねえ、話しかけたよ、返事、してよ。

聞こえてないのかな。

なんちゃって。

違う。

無視、されたんだ。

今まで、私は佐藤に何をしてきたんだろう。

なんで勝手に独り言だと解釈して

無視してたんだろう。

最低だ。

わかってる。

私、最悪。

無視されて当然じゃん。

あーもう。

涙出そう。嘘

全く出そうにない。

でも、かなりつらいかも。

うーん。

「・・・どした」

えっ

あ、返事してくれた。

ちょっと間ありすぎやないですか。

「昨日ごめん、私本当は・・・」

何。

続きが出てこない。

あれ、なんだったっけ。

「嫌な思いさせてごめんな。俺もう関わらんようにするから」

違う。

違う。

違う。

否定しないと。

嫌じゃなかったんだよ。

あ、やばい。

泣きそう。

え、泣きそう？

うん、眼球水浸し。