愛生
・・・遅刻した。

やべ、教室、先生の声しかしない。

うーん、途中で確実に出会う生徒の数が

極端に減った事はわかっていたのだが

うーん・・・。

どうしようか。

いや、選択肢はひとつしかないんだけど。

入らないと。

いやー・・・目立つの嫌だな。

あ、でも、みんな私の存在になんて興味なくって

シカトしてくれるかもしれない。

よかったー!陰キャラで。

「遅れてすいまー・・・」

うん。陰キャラでも目立つ時は目立つんだよ。

日本人らしくみんなと同じ事してないと

目立つんだよ。

おっけ、学習した。

絶対にもう二度と遅刻しないぜ!

やばい、みんなの視線が痛すぎる。

ちょ、まって

そんな、目からビーム出すような勢いで見つめないで

死んじゃう。

「寝坊か?座れー」

先生に質疑と命令をされて後者のみを実行する。

うーむ。

恥かしかった。

先生の話が終わり授業が始まる。

移動教室のため、教科書とノートをバンドで留めてると

野々垣さんが近寄ってきて

「理科でしょ?うちもだよ。一緒に座ろ」

と誘われたので

快く承諾した。

特に断る理由も思い浮かばなかったから。

いや、別に嫌ってわけじゃないんですけども。

野々垣さんにも友達がいるんだから・・・

おっと、間違えた。

野々垣さんには友達がいるんだから

その子達と居ればいいのに

あ。やっぱり昨日の電話切っちゃった事怒ってるのかな。

恐喝とかされるんでしょーか、私ってば。

きゃーこえー。
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