愛生
「まってよ~」

ヘラヘラとしながら私に追い付く彼。

別の可愛い子とでも居ればいいのに、なんで私なの。

迷惑極まりないんですけど。

「委員会入る?」

彼の口からそんな単語がでてくるなんて吃驚。

彼はそーゆうのにかけ離れた存在なのに。

委員長とかをいじめるようなキャラなのに。

「・・・美化委員会に入ろうかなって」

去年もそうだったし、誰もやりたがらないから、

じゃんけんとかも参加しなくていいし、早く決まるから。

「じゃあ、俺もなるー」

ああ、いつものように嘘をついておけばよかった。

「やめたら」

と諭す

「なんでっ!」

わかってくれない、うんこ野郎。

「あなたサボってばかりで私の仕事が増えるかもしれないじゃない」

そんなの絶対に嫌。

みんなの役に立ちたいとか、そんな理由で入ってるわけじゃないんだから

仕事なんてできればやりたくない。

「俺お前とならできる」

意味がわからない。

「・・・勝手にすれば」

そう言うと彼は大きな声で、よっしゃーと叫んで飛び跳ねていた。

いつもみたいに冷たく突き放せばよかったと後悔。

これだからうんこ野郎は。

「ふふっ」

思わず笑ってしまう。

しまった、と思ったけれど

彼は私を見て、ニヤァっと笑いピースサインをしてきた。

理解不能。

教室につくと、適当に先生の話をして

組織決めを行った。

私は勿論美化委員に入った。

そして、彼も美化委員に入りやがった。

組織が決まるとすぐに号令をかけて解散になった。

11時か。

午後からは1年生の入学式があるため2、3年生は午前で終わり。

家に帰ってもなにもする事がないため、私にとってはあまり喜ばしくない。
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