愛生
翌朝、玄関を出ると佐藤が携帯をかまって立っていた。

待っていた?・・・ストーカー?

やめろよ、きもちわるいなあ。

彼は私に気付いて

「おはよっ」

と笑いかけてきた。

私しか居ないのだけど、後ろを確認する。

いない・・・

「お前だっつの」

つっこまれて前を向く。

挨拶は返さないで、学校に向かう。

こんなやりとり毎日いろんな場面で行われるのに、毎回描写してたらきりがない。

教室について鞄を片づける。

なんで鞄を片づけるって言うんだろう。

鞄から中身をとりだして、横に掛けるだけなのに。

あーあーあーあーあーあー、さっさと帰りたい~~。

1時間目の数学を適当に受けて

2時間目の社会を適当に受けて

3時間目の英語をまじめに受けて

4時間目の現国を適当に受けて

昼休みに弁当を佐藤と貪って

委員会。

顔合わせらしい。

しらん、まじだるい。

これ、なんか自己紹介的なのが嫌なんだよね。

名前言う度に吐き気がするのに。

あと、なんか一言言ったりね。

美化委員会に入ってクラスをどうしていきたいか、とか。

そんな事いちいち考えてみんなも入ってないでしょ。

どーせじゃんけんで負けたんでしょ。

そーでしょ!

「委員会行こー」

佐藤は気楽でいいよな。

絶対に何も考えてないもんな。

悩みとかあっても、考えずに時間に任すだけだよな。絶対。

「また考え事してるの?」

・・・気楽でいいなー。

「なんでもない」

あーあーあーあーあーあーあーあー

早く家帰りたい。眠い。
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