愛生
ドンッ

思いっきり突き飛ばしたつもりだったが

私の力では佐藤の手が私から離れる程度だった。

吃驚してる彼。

私、佐藤が好きなの?

好きだよ。

好きだから好きって言った。

好き・・・好きじゃないの?

好きだよ。

両想い。

キス。

「なんで泣くの」

彼がさみしそうにつぶやくその声は

今にもかき消されてしまいそうで。

泣いてない。

私は泣いてない。

泣かない。

泣きそうなのは彼。

最低。

私、彼を傷付けた。

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