大好きなキミは芸能人!?
「お兄ちゃん、楽しみだね♪」


隣を歩きながら
わざと周りに聞こえるように言う。


「……そだな、にしても美優に彼氏ができたなんてな-お兄ちゃん嬉しいぞ-」


これまた
周りに兄妹アピ-ル


「ご兄妹、仲がよろしいんですね」



ウェイトレスの
お姉さんがあたし達の
会話を聞いてニコッと
笑う。


「そうですか?でもコイツ妹の癖に生意気っスよ?」


これまた
妹アピ-ル


「お兄ちゃんっ!!」


あたしも必死に
お兄ちゃんアピ-ル


「こちらVIPル-ムでございます」


ウェイトレスさんが
案内してくれたVIPルームは
奥ばった場所にある
個室みたいな広い部屋。

その真ん中に
白い布が敷いてある
大きなテ-ブル


そして窓の外に広がる
キレイな夜景。

あたしは息を飲んだ


「それではごゆっくりと」

そう言い残し
去って行った
ウェイトレスさんの
後ろ姿をただただ
見つめた



「美優」

イキナリ名前を呼ばれて驚く

「翔平…お兄ちゃん?」


翔平と呼び掛けて
慌ててお兄ちゃんを
付け足したあたしに
翔平お兄ちゃんが
何故か笑う


「もうお兄ちゃんじゃなくていいよ、お疲れ」
< 132 / 196 >

この作品をシェア

pagetop