大好きなキミは芸能人!?
あたしは我慢できなくて家に逃げ帰った。


翔平は
あたしを
追っかけて来なかった。

家に帰ると
リビングに
たくさん飾ってある
あたしと翔平の
無邪気な笑顔。


―公園でお砂場遊びしている写真

―滑り台にふたりで
座っている写真。

―風船をもらって
喜んでいる写真。


どの写真にも
最高の笑顔で写っているあたしと翔平。

このままじゃダメだ……
ちゃんとケジメを
つけるんだ………。



―プルルルル…………

「はい」

受話器から聞こえる
いつもの声。

あたしは
その声にほっとする。

まだ本番は
これからだ!!!


そう自分に
言い聞かせながら
高鳴る胸を抑える。


あたしね……
例え芸能人でも
恋愛対象として見てもらえなくても
ちゃんと思いを
伝えるよ。

だって
未来なんてどうなるか
わかんないじゃん!

「も、しもし……」

「何?」

「あの…今からウチ来れる??」



「あ-…分かった、今すぐ行くわ」

プツッ―!!

一方的に切られた電話。

……もうすぐ
翔平が来る…。

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