大好きなキミは芸能人!?
「翔平?」

「ワリィ、映画の主役のオ-ディションでさ、
俺の憧れの監督の作品なんだ」

翔平の言いたい事は
分かる。

“オ-ディションを受けるから今日はデ-トに行けない”でしょ?

だったら
初めから来なきゃいいじゃん。

後から『オ-ディションで行けなかった』って
言えばいいじゃん。

そしたらあたし
納得してあげれたかも
知れない。

でも………
無理なら何で来たの?

来た意味なくない?


「彼女とのデ-トより…大切なの?」

お願いだから……
違うって言ってよ…

「悪い…。デ-トはいつでもできるけどあの監督の映画の主役のオ-ディションを受けれるなんて一生に一度のチャンスかもしれないんだ」


「翔平のバカ!!彼女より仕事の方が優先なの!!!?サイテ-!!どんなすごい監督か知らないけどあたしだってすっごく楽しみにしてたんだよ!?」


サイテ-なのは
あたしの方だ……

翔平には仕事も
頑張ってほしいし
あたしも精一杯
応援しようと思ってた…
なのに…
あたし、翔平の仕事の
邪魔してるだけじゃん。

「美優ならちゃんと分かってくれると思ったのに……分かった、もういいよ」

翔平はそう言うと
あたしを置いて
足早に店を
出て行った。

取り残されたあたし。

周りの人は
みんな見て見ぬフリを
している。

あたし………
翔平を傷つけた…

翔平の頑張りも
みんなあたしが1番
分かっていた
はずなのに…………


翔平を傷つけたと言う
大きな罪悪感で
あたしはその場から
しばらく
動くことができなかった

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