ケンカ上等☆不良校上々↑↑
「オレらさ、もしかすると全員、一方通行‥かもな〜」
あたしから視線を外して、窓の外を見る。
その横顔は切なげだった。
トントン、と自分の隣の椅子を叩く。
「太陽も座りなよ」
あたしが微笑むと、困ったように笑みを返してから座った。
お互いに目を合わせない。
その代わり、校庭で体育の授業をしているクラスを眺めた。
授業、サボっちゃったなぁ。
上手い言葉が見つかるわけでもなく、図書室には沈黙だけが閉じ込められた。
耐え難い空気の中、あたしは席を立つ。
「もう…、授業戻んなきゃ。
きっと翼が心配してる。
朝の騒ぎのあとだし」
静かな空間に、椅子を入れるギギィーという音だけ響いた。
椅子から手を離して、前に踏み出す。
瞬間、掴まれた手に思わず振り向いた。
椅子に座って俯いたまま、あたしの手首を掴む太陽。
「な、どうし───」
「行くなよ………」