ケンカ上等☆不良校上々↑↑



小さな声だった。


けど、静寂なこの場所では、どんな音より大きく聞こえた。





「あんなヤツのとこ、行かなくっていーじゃん」


あ、今のセリフ。




「オレ、みくるちゃんが好きだ」









思い出しちゃったんだ。






『ねぇ翼、この声』


『太陽とチビがお前を探してるってこと』


『あたし二人のとこ───』


走り出そうとした時、繋いでいた手が離れなかった。


『行かなくていいじゃん』









って、

どうして翼は、いつも期待しちゃうような言い方するの?






「太陽……」


「あ、答えくらい、わかってるよ。

ただ言っただけ〜」





顔を上げた太陽は、普段の笑顔。


「でも惜しいな〜。

翼がいなければ、みくるちゃんはオレに惚れてたはずなのに〜」




ごめんね。でも、


「ありがと」

「まあ、1%でも可能性があるなら、オレは諦めないけどね〜」







この時点で始まってた。


それぞれの想いが舞い降りて、

重なり合うことを祈ってる。






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