ケンカ上等☆不良校上々↑↑
せっかくの海だ。
幼なじみの2人にも、恋愛のムードくらい生まれるかもしれない。
ここであたしが間に入ったとしても、きっと邪魔しちゃうだけ。
だったら、少し離れてるところから見守ってるほうがいいじゃない?
「でも、みくるをここに残すのも心配っス」
「なにそれ、どーゆー意味?」
あたしにだって、ちゃんと留守番くらいできるんだからね。
そんな幼稚園児じゃあるまいし。
「大きなお世話」
言い返して、顔ごと視線を外した。
「違くて、だから、その」
頭をひねって言葉を探す歩夢を、あたしは頬を膨らましたまま今度は睨む。
「言葉浮かばないんでしょ?
もう、ムダな心配いらな───痛っ」
心配いらないから、そう言おうとしたのに。
途中で、後頭部に何かが当たって。
「な.なに?」
あたしのセリフは中途半端に終止符を打つ。
「バーカ、油断してんじゃねぇよ」
声をたどって振り向けば、ボールを持った翼が立ってて。
今、ものすごく見下されてる感が……。