ケンカ上等☆不良校上々↑↑
うん、楽しそう。
「いーよ、親に了承得てくる」
『ホント〜?
実はさ、もう家の前にいて』
───ピンポーン
『あ、切るね』
チャイムが鳴ったと同時に、通話は終了を知らせる効果音に。
家の前って、もしかしてあたしの家の前?
「すみませーん。
……って、ことなんですけどぉ、みくる借りてっていいですかね?」
玄関の開いた音のすぐあと、芽咲とお母さんの会話が耳に飛び込んできた。
階段を下りて、玄関までいくと、ちゃっかり準備を始めるお母さんの姿。
本当に芽咲ったら、あたしの家の前にいたんだ。
すごい行動力。
「芽咲ちゃんのとこ、泊まり行くんでしょ?
早く準備しなさい」
どうやら、芽咲はあたしのお母さんのお気に入りらしい。
おかげで、すぐに許可をもらって家をあとにした。
「重いでしょ?
私、持つよ」
外にでるとすぐ、あたしの手から荷物を受け取る。
「車、先乗ってて」
そう言ってから、軽々と着替えだの何だのを詰め込んだ荷物をトランクに入れ始めた。