ケンカ上等☆不良校上々↑↑
あんな重いものを、いとも簡単に……。
あの細い体のどこに、そんな力があるんだろ。
「なーに、ぼーっとしてんのぉ?
ほら、乗った乗った〜」
急かされるようにして、後部座席に芽咲と並んで乗り込む。
「車、出して」
合図とほぼ同じタイミング。
運転席に座るスーツの男性は、車を走らせた。
「あ、私1人って言っても送迎は使えるから心配しないで」
「そなんだ、」
すっかり、芽咲の家庭がお金持ちなこと忘れてたよ。
家には行き慣れてるものの、泊まりとなると心なしか緊張するし。
そのせいもあってか、あたしは重要なことを頭から消し去っていたんだ。
「ねぇみくる、ケータイ光ってるよぉ?」
マナーモードに設定されたケータイの光。
画面を見ると、メールではなく電話。
「ごめん、電話出てもいい?」
「どぉーぞ」
念のため確認を取ってから、通話ボタンを押す。
「もしもし?」