ケンカ上等☆不良校上々↑↑



あんな重いものを、いとも簡単に……。

あの細い体のどこに、そんな力があるんだろ。



「なーに、ぼーっとしてんのぉ?
ほら、乗った乗った〜」


急かされるようにして、後部座席に芽咲と並んで乗り込む。


「車、出して」

合図とほぼ同じタイミング。

運転席に座るスーツの男性は、車を走らせた。



「あ、私1人って言っても送迎は使えるから心配しないで」

「そなんだ、」


すっかり、芽咲の家庭がお金持ちなこと忘れてたよ。

家には行き慣れてるものの、泊まりとなると心なしか緊張するし。


そのせいもあってか、あたしは重要なことを頭から消し去っていたんだ。




「ねぇみくる、ケータイ光ってるよぉ?」

マナーモードに設定されたケータイの光。

画面を見ると、メールではなく電話。



「ごめん、電話出てもいい?」

「どぉーぞ」

念のため確認を取ってから、通話ボタンを押す。


「もしもし?」






< 173 / 541 >

この作品をシェア

pagetop