ケンカ上等☆不良校上々↑↑



でもその静けさも数秒間くらいで。





「なに、かっこつけてんの?」

「おまえ、ケンカ売ってんのか?」

「だって翼がいきなり変なこと言うから───え、ちょっと待ってよ」



話の途中で、再びドアに手をかけて、出て行こうとする。


追いかければ、追いつくんだけど。





「話するなら、ちゃんといい方向に持ってってよねー!」



ドアから顔だけ覗かせて、手を振る後ろ姿を見送った。







できないんだもん。


あんなに弱った太陽をほっといて、翼を追いかけることなんか。




「太陽?」


翼の背中が見えなくなったあと、壁に寄りかかって俯いていた太陽の前まで行って声をかけた。




「たぶん翼は芽咲のところに行ったんだよ?」


前から気づいてたんだ。

きっと、翼は太陽と芽咲の間の溝に気づいてた。




「いいの?
太陽は芽咲と話さなくて」


まだ肩が震えてる。




「太陽?」






< 222 / 541 >

この作品をシェア

pagetop