ケンカ上等☆不良校上々↑↑
でもその静けさも数秒間くらいで。
「なに、かっこつけてんの?」
「おまえ、ケンカ売ってんのか?」
「だって翼がいきなり変なこと言うから───え、ちょっと待ってよ」
話の途中で、再びドアに手をかけて、出て行こうとする。
追いかければ、追いつくんだけど。
「話するなら、ちゃんといい方向に持ってってよねー!」
ドアから顔だけ覗かせて、手を振る後ろ姿を見送った。
できないんだもん。
あんなに弱った太陽をほっといて、翼を追いかけることなんか。
「太陽?」
翼の背中が見えなくなったあと、壁に寄りかかって俯いていた太陽の前まで行って声をかけた。
「たぶん翼は芽咲のところに行ったんだよ?」
前から気づいてたんだ。
きっと、翼は太陽と芽咲の間の溝に気づいてた。
「いいの?
太陽は芽咲と話さなくて」
まだ肩が震えてる。
「太陽?」