ケンカ上等☆不良校上々↑↑
手のひらに乗っかったそれは、確実にあたしのものではない。
内側に記された名前の人が持ち主だ、たぶん。
キラキラの指輪。
あたしの薬指にピッタリのサイズ。
誰かからのプレゼントだったのかな?
そんなことを考えながら歩いていると、目の前に止まった車。
ただでさえ真っ暗なのに、車体の色が真っ黒なせいでよく見えない。
一気にドアが開かれて、中から知らない人が数人こっちへ近づいてきた。
「なに?」
顔はよく見えないけど、こんな夜にあたしに用がある人なんて予想がつく。
「あなたたち、どこのグループ?」
リーダーになりたての頃、何度かあったんだ。
こうやって、稲妻を潰そうとする不良グループが攻めてくることなんて。
いくらでも……。
けどっ!
なんで、こんな日に限って、翼も芽咲もそばにいないのー?!
あたし1人じゃ捕まって当然。
選択肢はもちろん、“逃げる”。
「───きゃっ」