ケンカ上等☆不良校上々↑↑
小さい声で、隣で太陽が呟く。
女に会いに行った、か。
「優しそうなのになぁ」
翼、いい人そうなのに、どうして女遊びするんだろ。
「何か言った?」
「べ.別にっ、」
「みくるちゃんてさ、翼みたいなのがタイプなの?」
タイプって?
好きってこと?
それは………
「よく、わかんない」
まだ会ったばっかりだし。
いい人だとは思う。
でも、“友達として”好き、かな。
「アイツさ。
いっつも人助けして、ヒーローとか言われてるし、め〜っちゃいいヤツだけど…………」
太陽にしては珍しく、躊躇いがちな言い方をしてる。
「けど?」
「惚れんなよ」
聞き返すと聞こえた、小さな小さな声。
「どうし───」
「ど〜してもっ!
強いて言うなら〜、オレがみくるちゃんを翼に渡したくないから」
「ふーん」
「あ、もしかして翼と付き合ってもいーかも、とか思った〜?」
「思ってないっ!
ばっかじゃないの」
あたしの反応を楽しんでる太陽に、ちょっとだけイラっとして。
「いてっ」
肩を強めに叩いてやった。
高鳴った胸のドキドキは、気のせいってことにしておこう。